20081005EURJPY Daily Super Bollinger.GIF20081005EURJPY Daily Span Model.GIF
添付のチャートは、日足ベースのユーロ円相場の「スーパーボリンジャー」(上)と「スパンモデル」(下)です。
本日発行しましたメルマガの参考資料です。
尚、メルマガ内容は以下に掲載致しております。
どうぞ、ゆっくりご一読下さい。
以下、「メルマガ」の内容です。
■世の中は、相変わらず、金融危機状況から抜け出ることが出来ません。
世界的に株価が軟調に推移する中、特に金融セクターでは、「次はどの金融機関が危ない?」という疑心暗鬼なムードが漂い続けています。
クレジット市場が比較的落ち着いている日本でさえ、信用スプレッドが5年来の水準にまで拡大しているようです。
2003年4月に日経平均が安値7603円を付けた時のスプレッド水準となっているわけです。
2003年当時、私はある外資系銀行にて為替や資金調達のみならず、運用の責任者として、金融債や社債投資を積極的に行っていましたので、その当時の酷い状況が手に取るように分かります。
景気というものは、ある程度、循環性のものであるとは言え、今回の景気低迷、後退深刻さは、まさに歴史的なものと形容せざるを得ません。
経済面だけでなく、新型インフルエンザや地球温暖化が原因の異常気象など、様々な不安要因が次々と押し寄せてくる世の中にあって、「この先、一体どうなっていくのだろう?」という思いで一杯です。
しかしながら、感情論でもって、相場を語ることは出来ません。
じっくりと「根拠ある判断」を行いつつ、相場を見据えていかねばなりません。
それでは、以下、外国為替市場の動きを検証、追ってまいりたいと思います。
■米下院は週末3日、修正金融安定化正法案を可決、ブッシュ大統領も法案に署名をし、一旦は決着を迎えました。
しかし、まさに典型的な、材料出尽くし感からの「往って来い相場」となりました。
いわゆる「噂で買って、事実で売る」パターンだったわけです。
米株式相場は、法案可決期待で買い進まれていた金融株を中心に売られ、リスク回避志向から、同様に買われていたクロス円相場も反落しました。
それでは、ここで、昨今の為替市場にて取引の中心となっているクロス円相場(ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、NZドル円、カナダ円等々)の代表格の通貨ペアであるユーロ円相場を取り上げてみたいと思います。
ユーロ円相場は、ポンド円や豪ドル円など他のクロス円相場の動きとかなりの程度呼応するものであり、ご参考になると判断した次第です。
■まずは、週足分析です。
2007年以降、過去2年間の間、週足終値ベースでみて、152円台以下で引けたことは一度もありませんでしたが、ついに、先週末145.05円にて引けることになりました。
それまでの、過去2年間での終値ベースの最安値は、今年9月に付けた153.53円でした。
その水準を何と8円50銭も下回ったわけです。
先週のユーロ安値は、週末金曜日である10月3日の米雇用統計後に付けた143.98円であり、2006年6月以来の水準にまで下げた格好です。
昨今の外国為替相場は、株価が下落するなどしてリスク回避志向が高まると、クロス円相場が売られる(外貨売り円買い)傾向が依然として続いています。
一時は、円キャリートレードという格好で、低金利の円を売って高金利の外貨を買うというトレードが、特にリスクが高くはない「平常時」に流行るというパターンが存在していました。
そして、今なお現在も、基本形は似た傾向があり、リスク減退時のクロス円の買い、リスク増大時のクロス円の売りというトレードは、いわば「ファッション化」しているとも言えましょう。
このように、「相場材料」と実際の動きには、その時々に流行となるパターンが存在することを覚えておく必要があります。
■ところで、サブプライムローン問題を発端に米国経済が不況に陥り、米金融危機が広まっているのを受けて、欧州経済が経済的痛手を被っているとの観測から、欧州基軸通貨であるユーロが売られやすくなっているとの「口実」も聞かれます。
確かに、欧州経済も景気低迷に陥っているとは言え、サブプライムローンの発端である米国の通貨である米ドルがユーロやポンド、さらにはスイスに対しても堅調な動きをしているというのも、なんとも皮肉な話です。
米国経済の低迷を受けて、日本円が買われやすくなっており、ドル円相場が軟調気味に推移しているのは、確かにうなずけます。
そんな中、マーケットにて、ここ最近、もっぱらクロス円相場の売りが主流となっている要因は、やはり、「相場の流れそのもの」と考えざるを得ません。
私が常日頃から申し上げている「相場は相場に聞け」がまさに本質であると思います。
■さて、さらに続いて、ユーロ円相場日足ベースで見てみると、先週初9月29日にいきなり21日移動平均線を下割れて引けました。
先々週末に、米金融救済法案が米下院にて否決されたことが「きっかけ」でした。
9月26日時点では、日足終値が21日移動平均線に支えられる格好で引けており、ユーロ反転上昇を示唆する展開ではありました。
この辺りの動きを実際のチャートを見ながら検証してみましょう。
上記のチャートをご覧頂きたいと思います。
2つのチャートを添付してあります。
上の1つは、日足ベースのユーロ円相場の「スーパーボリンジャー」です。
もう1つ、下のチャートは、同じく日足ベースのユーロ円相場の「スパンモデル」です。
まず、「スーパーボリンジャー」をご覧ください。
7月23日に高値169.97円を付けたユーロ円相場でしたが、その後、順調に下げトレンドに入り、日足スーパーボリンジャーにて、実勢レベルがマイナス1シグマとマイナス2シグマに挟まれるという「巡航速度」での下落トレンドに乗った展開が続いていました。
それが、A点にて、実勢レベルがマイナス1シグマラインを上抜けて引けるに至り、相場反転上昇を示唆するに至ったのです。
A点時点では、実勢レベルがマイナス1シグマライを上抜けたこと以外に、実は、日足時間分析や週足時間分析にて、「変化時間帯」に達していたことがユーロ反転を後押しする大きな要因となっていました。
その後、先々週(9月22ー26日)には、実勢レベルがセンターラインである21日移動平均線を上回って推移、さらなるユーロ続伸を期待させる状況にありました。
その理由の一つは、スーパーボリンジャー分析では、マイナス2シグマラインにいた相場は、かなり高い確率でプラス2シグマにまで達するという「マーケット法則」があることです。
もっとも、「かなり高い確率」であって、100%ではない点が、やはり相手がマーケットである所以ですが、概ね経験則での傾向として存在しているのは事実です。
しかしながら、現実は、米下院による否決という予想外の事態に見舞われ、確かに「口実」であったにせよ、相場は反落したのです。
B点がその状況を示しています。
ユーロ円相場は、一気に21日移動平均線を下抜けたのです。
センターラインを下抜けるどころか、マイナス1シグマラインまでも下回り、その後も、1週間を通して、マイナス1シグマを終値ベースで上回らない展開となったのです。
また、スーパーボリンジャーのバンド幅が拡大しており、相場の下落トレンド性が見られる状況となっています。
尚、このスーパーボリンジャーの中で注目して頂きたいのは、遅行スパン(紫色のライン)です。
スーパーボリンジャーでは、遅行スパンは「21単位」であるのがポイントです。
実態線の動きに従うように、遅行スパンが軟化しているのが見て取れます。
要するに、実勢のユーロ円相場が下げる動きは、まさに遅行スパンが実態線に抑えられる動きと呼応していたわけです。
この辺りの相場のリズムをよくご覧頂きたいと思います。
■続いて、上記添付のユーロ円相場の日足ベース「スパンモデル」をご覧下さい。
先ほどのユーロ円相場の日足スーパーボリンジャーを頭に浮かべながらご覧頂くとより分かりやすいかと思います。
順調に下げていたユーロ相場でしたが、A点に及んで、実勢レベルがレジスタンスゾーンの下限を上回って、ゾーン内で推移している様が見てとれます。
このように、実勢レベルがレジスタンスゾーン下限に抑えられて反落せずに、さらに続伸しゾーン内にて推移するに至ると、相場が底固い状況となっていることを示します。
言うなれば、ショートポジションを減らすなり、ポジション調整を必要とする局面であることを教えてくれています。
ところが、その後、B点に及んで、実勢レベルがレジスタンスゾーンを再び下回っているのが分かります。
このB点以降の動きは、遅行スパンのC点以降の動きと呼応しています。
実勢レベルが、それまでレジスタンスゾーン内に入って底固くなっていたにもかかわらず、その後、再びレジスタンスゾーンを下回ってきた場合は、相場売り加速するケースが多いのです。
売りシグナルが点灯し続けている中にあって、実勢レベルが、ゾーン内からゾーン下方に推移する展開を示しています。
特に、遅行スパンが実態線から放れるタイミングと重なると、さらに大きな動きになる傾向があります。
このように、この「遅行スパン」の動きを見ているだけでも、相場が大きく動くタイミングを捉えることが出来ます。
■いずれにしましても、上記に見たように、ユーロ円相場は、一旦は、反転上昇する可能性が高まっていたにもかかわらず、急反落しました。
そして、日足ベースのスパンモデル及びスーパーボリンジャーから、先週末時点、ユーロ円相場は日足ベースにて依然として下落トレンドに乗っていると判断出来そうです。
ただ、一つ気がかりなのは、日足時間分析にて「対等時間」が見いだされることです。
すなわち、今年の5月9日に安値158.60円を付けた時点から、史上最高値169.97円を付けた7月23日まで54日経過しました。
そして、この高値169.97円を付けた7月23日から、安値143.98円を付けた先週末10月3日まで53日経過しているのです。
先ほどの上昇局面に54日要しているのに対して、その後の下落局面にて53日経過しているわけです。
ほぼ「対等時間」という「変化時間帯」に位置していると判断されそうです。
このことから、相場が底打ちして反転上昇する可能性を秘めていると読めますが、やはり繰り返し申し上げてきた通り、「値頃感」だけは絶対に危険です。
いわゆる「目分量」で相場に参入することは避けなければなりません。
市場の雰囲気や割安感に基づくロングポジション造成は大きなリスクを伴います。
相場の反転を狙うにしても、せめて、より短期(例えば60分足など)のスパンモデルやスーパーボリンジャーに従うことが大切です。
相場のトレンドを味方にして、「相場と友達」になってエントリーしたいと思います。
以上です。
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★★ところで、スパンモデルを紹介していただくのは大歓迎ですが、
スパンモデル・スーパーボリンジャー・アクティベート時間分析は
商標ですので、引用される場合には、どこかに以下のような記載を
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「スパンモデルはマーフィー氏の商標です」
「スパンモデル・スーパーボリンジャー・アクティベート時間分析は
マーフィー氏の商標です。」
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