■英国やユーロ圏の弱い経済指標に反応し易い相場地合いが続いています。
特に、ポンドドル相場は、実に23年ぶりの安値を付けたようです。
振りかえって見ると、1月に入って以降の相場は、当初の1週間弱程度は、ほとんどの通貨ペアが堅調に推移しましたが、その後は、概ね軟調地合いに推移、世界的な信用リスクの高まりが材料視される展開が続いています。
日米欧など主要な中央銀行が協調して市場に供給したドル資金の残高が昨年末時点で1兆ドル(約90兆円)規模に膨らんだとの報道がなされています。
これにより、確かに、国際資金市場でのドル不足の問題が緩和したのは事実ですが、依然として一部の金融機関では、ドル調達が難しい状況となっているようです。
そしてドルの調達の為に、為替を利用するというパターンからドル買い自国通貨売りという取引が米ドル相場を押し上げてきたというのが背景にあると考えて良さそうです。
■それでは、いつものように、以下に実践的な相場分析を行ってみたいと思います。
具体例として、ポンド円について少し詳しく分析してみると、2007年7月に251円台を付けた相場は、9か月要して192円台にまで下げ、その後5か月要して215円台まで戻し、その後は今月に至るまで下げ続けています。
戻り高値を付けた2008年7月から7か月要しているのが分かります。結局、2007年7月の高値から今月まで19か月経過したことになります。
ドル円相場が、過去6年来の高値である124.14円を2007年6月に付けて以降、今月で20か月に入っていますが、先ほどのポンド円相場の下げに要している19か月にほぼ呼応する格好です。
そして、ドル円相場が過去9年程度、18週から20週程度でのタイムサイクルが存在することを考慮に入れると、時間の節目とも言うべき、意味のある時間下げたことになります。
尚、週足ベースでは、ポンドドル、ポンド円は、戻り高値を付けた昨年7月20日の週から先週(19-23日)で27週目に突入しています。
すなわち、私が時間分析で重視する基本数値の重要数値である「26」の近似値となっており、やはり時間の節目に達していることが分かります。
■次に、ユーロドル相場を見てみましょう。
ユーロドル相場は、2008年4月22日に1番天井1.6020を付けました。
そして、同年7月15日に2番天井1.6040を付けています。
1番天井と2番天井の時間は、日足ベースでは61日であり、週足ベースでは13週となっているのが分かります。
続いて、その後の、ユーロドルの1番底は、昨年10月28日の1.2329です。
そして、先週末1月23日に安値1.2764を付けており、12月18日の戻り高値1.4720からの押し局面の最安値を見たことが分かります。
さらに、安値1.2329を付けた昨年10月28日から1月23日までの時間は、日足ベースでは63日(クリスマス12月25日を除くと62日)、週足ベースでは13週となっています。
上記より、2つの高値を付けた時の時間間隔と、昨年10月28日の安値と先週末の間の時間間隔との間には、かなり似通ったタイムサイクルが存在しているのが分かります。
さらに詳しく見てみると、ユーロドル戻り高値1.4720を付けた12月18日から、先週末1月23日まで26日経過しました。
この26日は、最重要基本数値である「26」と同数であり、時間の節目に達したと判断することが可能です。
以上より、ユーロドル相場は、少なくとも、一旦は時間の節目に到達したと読むことが出来そうです。
■さらに、ユーロ円相場ですが、最高値169.97円を付けた昨年7月23日の週から先週(19-23日)まで27週経過しました。
ポンド円相場で見たのと同じ高値を付けた週から27週経過となっています。すなわち、私が時間分析で重視する基本数値の重要数値である「26」の近似値となっており、やはり時間の節目に達していることが分かります。
また、1番底である113.62円を付けた昨年10月27日からの戻り高値131.02円を付けた12月18日から先週末1月23日で26日経過となりました。
やはり、「26」の出現であり、ユーロ円相場も既述の通貨ペアと同様に、一旦は、時間の節目に到達していると読むことが出来そうです。
■ところで、1月相場というのは、「1月効果」と言う言葉があるように、その年1年の相場を占う上で重要なタイミングに現れるものです。
この「1月効果」とは、1月相場を月足で見た場合に、陽線で終われば、その年1年は上昇基調となり、陰線で終われば、その年1年は下落基調となる可能性が高いと言われるものです。
もし、始値と終値が近ければ、その1年は、上下しつつも、1年の終値が年初のレベルに戻ってくる可能性が高いという判断も出来ます。
上記は、もちろん、理論的根拠はなく、あくまで経験則に基づいているものです。
さて、この「1月効果」を考えながら、現在の相場を見てみると、全般に上値の重い相場展開が続く中、このままの地合いで1月相場が終われば、今年も軟調地合いの1年となる可能性が高いという判断も出来なくはありません。
ところで、今月はあと1週間残されています。
まだまだ予断は許しませんが、上記理由より、来週1週間の動きは注目したいところです。
尚、私の経験則では、1月相場というのは、最初の3週間(約21日)はトレンドレス、往来相場となるケースが多く、その後にようやくトレンドらしきものが出現するということが言えます。
来週以降、入っていき易い相場展開が訪れると期待しています。
こう言ってしまうと、かなり乱暴的な解説となってしまいますが、あくまで私の独断と偏見に基づくものとご理解頂ければ幸いです。
■上記解説にもかかわらず、実際のトレードは、私が推奨する、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」、そして、「時間分析」に基づいて行うのがベストと考えます。
ちなみに、デイトレードは1日の中で完結するものであり、基本的には、60分足スーパーボリンジャーでトレンド性を確認しつつ、5分足スパンモデルや1分足スパンモデルでトレードを行うのが最も効率的です。
そして、1日を越えてポジションを持つ場合は、スイングトレードとかポジショントレードとか色々と呼び名はありますが、私の理解では、全て中長期トレードと見なしています。
というのも、そもそも、1日を越えてポジションを持つ限りは、中長期の相場観を抜きにしては戦略性に乏しいと思っているからです。
宵越しのポジションを持つ以上は、寝ている間に何が起こるか分からないわけですから、いくらロスカットオーダーを置くと言っても、やはり中長期の相場観を持たずにポジションキープはお勧め出来ないと考えています。
特に、ここ最近のように、1日の中での相場変動率がここまで高い状況では、デイトレードは一つの区切りのあるものと見なせるとしても、宵越しとなると、明日以降今後の相場観がある程度固まっていないとポジションをキープするリスクが非常に高いわけです。
極論すると、たとえ翌朝に目覚めた時に、相場が大きく動いていたとしても慌てないくらいのポジションにしておかない限りは、デイトレード以外は行ってはいけないと思うくらいです。
■私の場合は、この宵越しのポジションをどのように持つかについては、やはり時間分析をベースにしつつも、日足スーパーボリンジャーと日足スパンモデルを判断の軸としています。
そして、時間分析から当面の安値が近いと判断すれば、僅かずつ買い下がる、当面の高値が近いと判断すれば、僅かずつ売り上がるという戦略が有効と考えています。
これが、相場の格言でも言う「相場の最終局面では逆向かえ」の意味であるわけです。
もっとも、私は、相場の最終局面を無理に予測することはやはり危険であると思っています。
相場においては、「終着駅の次の駅で降りる」感覚が大事です。
ですから、高値や安値を確認してからで決して遅くはありません。
一旦、確認したならば、直近の高値にロスカットを置いてショートポジションメイク、もしくは直近の安値にロスカットを置いてロングポジションメイクという戦術を推奨したいところです。
そして、何と言っても2番手、3番手で相場に入っていく「心の余裕」が欲しいものです。
「高値で売る」、「安値で買う」ことに拘っているうちは収益をコンスタントに上げることは難しいと断言します。
2番手、3番手で良いのだと思えるようになって初めて、「一皮むけた」ステージに上がれるのです。
遅ればせながら相場に入る戦略を取っていても、長い投資生活の中では、最も理想的なトレードスタイルを築けるものと思います。
どうぞ、皆様がゆったりとした気持ちで私に付いてきて下されば幸いです。
皆様のこれからの投資にお役に立つトレード方法を伝授させて頂きたいと思います。
以上です。
★ お知らせ ★
■時間分析に関する相場解説は、以下にご紹介する「マーフィーの実践トレードコーチング有料掲示板」と「ワカバヤシFX」においてのみ行っております。
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