■先週(4-8日)の相場ですが、豪ドル円、カナダ円相場は、年初来高値を更新しました。その他のクロス円相場も概ね堅調な推移をしており、年初来高値圏にて越週しています。
ちなみに、日経平均は年初来高値を更新、NYダウも1月9日以来の高値で引けています。
市場全般に流れているトーンは、一連の金融セクターを中心とした悪材料が出尽くしたことで、リスク許容度の回復が進んでいることが指摘されています。
もっとも、実際のところはと言うと、年初から悪材料が指摘される中で、行き過ぎた悲観論を背景として造成されたポジションの巻き戻しが起きているのだと思います。
特に、株式市場にその傾向があります。
そもそも、悪化した経済指標が発表される中でも、株式市場は上昇基調に転じるケースは多いです。
大雑把に言うと、3か月から半年程度、相場が先行していくわけです。
しかし、世の中の「ファンダメンタルズ」の改善が見られるにはタイムラグがあります。
時には1年近くも遅れて、経済指標の改善が現れ始めることもあります。
一方で、相場はどんどん上昇していきます。
あたかも、株式市場の上昇につれて、市場のセンチメントが回復して行く中で、次第に改善していく経済指標が注目されるようなものです。
■為替市場も同様です。
ドル円や、クロス円相場に対する弱気なセンチメントが蔓延している中で、じりじりと上昇を始めます。
今年に入ってからの実際の相場を見ると、
1月21日にドル円、ユーロ円、カナダ円
1月23日にポンド円、スイス円
2月2日に豪ドル円、NZドル円
が安値を付けて以降、右往左往しつつも、右肩上がりの堅調相場が続いています。
相場とは、万人が弱気一辺倒なセンチメントの中で、安値を付けて反転、上昇に転じます。
逆もしかりです。万人が強気一辺倒なセンチメントの中で、高値を付けて反転、下落に転じます。
言い換えると、「多数派」はいつも最終的に損をしてしまうものです。
つまり、いつも「少数派」であることが大切なポイントであり、「他人」とは違う戦略を取る必要があるということです。
■ただ、ここで誤解をしてしまわないで下さい。
それは、「少数派であれ」というのは、「相場の逆を行け」と言う意味ではありません。
上昇トレンドであれば、トレンドの流れに乗って、ロングポジションを取るということであり、下落トレンドであれば、同じくトレンドの流れに乗って、ショートポジションを取るということです。
実は、「多数派」ほど、実際のマーケットが示しているトレンドに逆らった行動を取る傾向があるのです。
これは、株式市場でも、為替市場でも同じことです。
もちろん、トレンドの転換の見極めは確かに難しいです。
天井や底を捉えて、高値売り、安値買いを実行することなど、ほとんど不可能に近いです。
私が相場の終着駅(高値や安値)で降りることはやめて、終着駅の次の駅で降りることを目指すことが大事とご説明することがありますが、まさにこの辺りのことを指しているわけです。
■ただ、「終着駅の次の駅」と言っても、これも依然として難しいことです。
終着駅の次の駅と言っても、高値を付けたローソク足の次のローソク足というほど易しいはずはありません。
ただ、この高値、安値の次のローソク足への本数を限りなく少なくすることが、時間分析の役割であると思っています。
相場には時間のリズムがあります。
一方的に上げ続けることがなければ、一方的に下げ続けることもありません。
ただ、相当長い期間上げ続けることもありますし、相当長い期間下げ続けることもあるのが実際の相場です。
「木を見て森を見ず」と言う言葉あるように、相場の大局観は大事です。
この時間のリズムを知ることが出来れば、相場の流れについていくことが出来ます。
そして、さらに価格分析を含めていけば、より精緻に天井と底を捉えることが出来るのではないかと思ってしまいますが、正直言って、やはり簡単ではありません。
■ところで、時間分析は、価格を捨象して、相場の上げ下げのリズムを捉えるものです。
時間分析には、「変化時間帯」というのがありますが、その「変化時間帯」辺りで、相場がトレンドの流れを加速するケースもあれば、トレンド転換となるケースの二通りがあります。
ただ、「変化時間帯」近辺でトレンド転換となるケースが多いです。
問題は、やはり、価格水準の見極めです。
つまり、日足ベースで「変化時間帯」と判断しても、その変化時間帯に位置している日足ローソク足が完成するまでは、何処の水準まで高値が伸びるか、もしくは安値が伸びるか分からないのです。
日足分析を例に取ると、本来は、その日1日が終了した段階、すなわち、日足の終値を見た後に判断を下すのが最低限のことだとも言えます。
ところが、こういう考え方も出来ます。
それは、相場が変化時間帯を迎えた時は、相場のそれまでのトレンドが転換する可能性が高いと見て、「逆向かい」の行動を取るのも有力な戦略の一つであるということです。
表現を変えると、「相場の最終局面には逆向かえ」ということです。
そろそろ高値だと判断すれば、売り上がる、そろそろ安値だと判断すれば、買い下がるという戦略が有効だということです。
■こうなると、大事なことはポジション管理(コントロール)となります。
上昇途上に売り浴びせることはもちろん危険ですし、下落途上に一気に大量に買うこともリスクが高過ぎます。
想定されることは、日足ベースでそろそろ高値と言う局面でも、60分足チャートを見れば、上昇基調変わらずということはよくあります。
理想的には、60分足チャートを延々に見続けることが出来ればベストですが、肉体的、物理的に言ってそういうわけにもいきません。
折衷案としては、限りなく60分足で相場を追いつつ、日足時間分析を参考にして、そろそろ高値の可能性があるから、ロングポジションを利食いつつ、ポジション調整を行うことです。
そして、分析、思惑通り、相場が反転したと判断出来たならば、残りのポジションをスクエアにして、さらには、ショートポジションに転じるということが望ましいです。
もしくは、相場転換を確認する前の段階で、相場が上昇する過程でロングポジションをどんどん減らし、スクエアにします。
そして、今度は少しずつ売り上がるわけです。
ただ、この戦略は相当なリスクを伴うのは事実です。
そこで、ポジションのサイズは少なめにします。
ある意味、トレンドに逆らっているわけですから、「逆張り」なわけです。
スパンモデルやスーパーボリンジャー分析にて確認出来ているトレンドに乗り続けることが理想的ですが、相場の波動を全て捉えることは出来ません。
「終着駅の次の駅~~」というスタンスを通すことが出来れば、スパンモデルやスーパーボリンジャーだけでも良いとは言うものの、やはり、「そろそろ天井」、「そろそろ底」という判断を静かに下しながら、相場を追い続けるのがより望ましいと考えます。
遅行スパンという強力な武器を駆使しながら、さらに時間分析、価格分析を加えることで、より正確な判断を下すことが出来れば、相場のトレンドをより味方に付けることが出来ると思うわけです。
■さて、上記のように考えた上で、この直近のドル円相場、ユーロドル相場、ユーロ円相場を見ると、目先の転換点を迎えつつあるというのが私の判断です。
先週末(5月8日)の動きを踏まえて、来週初の動きに乗りたいと思います。
中期的に、ドル円相場上昇、ユーロドル相場上昇、ユーロ円含めたクロス円相場上昇と言う流れの中にあって、目先は調整を迎える可能性が高まっているというのが私の相場観です。
以上です。
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