■週末マーケットですが、発表になった7月の米国雇用統計が予想比で好数値となった結果を受けて、対ほぼ全通貨で米ドルは急伸しました。
ところで、8月7日の海外市場での相場が、2か月前の6月5日(金曜日)の動きに似た展開となったことは注目です。
6月5日の時も、NYマーケット開始直後に発表になった5月の米国雇用統計にて、非農業部門雇用者数が予想比で好数値であったことを受けてドル全面高となったからです。
それでは、今回のメルマガでは、この辺りを踏まえて、主に、ドル円相場を取り上げて、時間、及び価格面から分析してみたいと思います。
目的は、相場を主に時間軸から分析することで、全体の流れの中での現在位置を知ること、そして、今後の展開を予測、判断することです。
と言うのも、ファンダメンタルズ面から判断しようとすると、曖昧且つ後講釈的となってしまう恐れがあり、厳密に現在位置を知ることが困難であると思えるからです。
それでは、私が相場の全体観を知る上で特に重視している時間分析の一部をご紹介することで、今現在のドル円相場の位置を把握したいと思います。
まずは、今回(8月7日)と前々回(6月5日)のドル円相場の1日の値動き(4本値)を見てみましょう。
8月7日
ドル円 始値 94.73円 高値97.79円 安値95.05円 終値97.52円
6月5日
ドル円 始値 96.60円 高値98.90円 安値 96.55円 終値 98.65円
8月7日(今回)、高値と安値の差は2.74円
6月5日(前々回)、高値と安値の差は2.35円
でした。
ちなみに、6月5日も8月7日も、いずれも、ユーロドル上昇、ユーロ円上昇、クロス円相場が大幅に上昇する展開となりました。
興味深いのは、ユーロドルが大幅下落したにも関わらず、ユーロ円は上昇していることです。すなわち、ドル円相場の上昇が最も顕著であったことを示しています。
そして、ドル円相場は戻り高値となると同時に、ユーロ円相場は、今年の高値139.26円を付ける結果となったことです。
■ここで、日足ベースの時間分析を行ってみると、ドル円相場は、今年の高値101.45円を付けた4月6日から、6月5日まで日足で45日(週単位では9週間)要しました。
そして、この6月5日から8月7日まで要した時間が46日(週単位では10週間)となっています。
45日に対して、46日となっており、「対等時間」が現れていることが分かります。
さらに詳しく見ると、4月6日から6月5日までの45日間の中に、2つのV波動が存在しているのが分かります。
1)高値101.45円を付けた4月6日から、押しの安値95.63円を経て、高値99.80円を付けた5月7日に至るまでの波動(24日)
2)高値99.80円を付けた5月7日から、押しの安値93.85円を経て、高値98.90円を付けた6月5日に至るまでの波動(22日)
そして、6月5日から8月7日までの46日間の中に、同じく2つのV波動が存在しているのが分かります。
1)高値98.90円を付けた6月5日から、押しの安値94.88円を経て、高値97.00円を付けた7月1日に至るまでの波動(19日)
2)高値97.00円を付けた7月1日から、押しの安値91.73円を経て、高値97.79円を付けた8月7日に至るまでの波動(28日)
さらに、同じく、日足時間分析にて、
93.55円を付けた3月19日から6月5日まで57日要していること。
93.85円を付けた5月22日から8月7日まで56日要していることが分かります。
波動の観点から見て、相場のスタート時点からの時間がほぼ同じであることは興味深いところです。
■次に、週単位の時間分析を行ってみましょう。
昨年の安値87.13円を付けた12月17日の週から今年の高値101.45円を付けた4月6日の週まで17週間経過しました。
そして、4月6日の週から、先週まで18週目となっています。1週間のズレはありますが、「対等時間」の観点から重要な時間帯であったことが分かります。
以上のように見てくると、ドル円相場にて、先週8月7日という日柄は日足及び、週足ベースにて、重要な時間の節目に当たっていると判断することが出来るわけです。
加えて、ユーロ円相場にても、4月6日、6月5日、共に高値を付けたタイミングがドル円相場と同一であることが分かります。
そして、8月7日のユーロ円相場の上昇のタイミングもドル円相場と合致しています。
途上にある、小さな波動に関しては、日柄に違いがありますが、やはり、2つのV波動がそれぞれ含まれていることが分かります。
こうして見てくると、ドル円相場の波動が軸となって、クロス円相場も形成されていると考えることが出来、ドル円相場の分析の重要性が改めて確認された次第です。
来週以降の相場展開がどうなるか、ドル円相場、ユーロ円相場共に、注目するタイミングに位置していると読めそうです。
■もっとも、上記の通り、時間分析から判断すると、8月7日と言う日柄がドル円相場の戻り高値を示唆する格好となってはいますが、スパンモデルやスーパーボリンジャーからは、必ずしもそうではないことが分かります。
幾つか理由を挙げるとすると、日足スパンモデルにて、8月7日時点で、遅行スパンが実態ローソク足を上抜けているのが見てとれます。
一方、6月5日の時点では、日足スパンモデルの遅行スパンは、実態ローソク足に戻りを抑えられる格好で会ったことが分かります。
また、日足スパンモデルのシグナルは、8月7日終値時点で、買いシグナルに転換していることが分かります。
一方、6月5日時点では、ドル売りシグナル点灯中であったことが分かります。
同様に、日足スーパーボリンジャーバンドにても、8月7日時点では、遅行スパンが完全に陽転している一方で、6月5日時点では、遅行スパンが実態ローソク足に上値を抑えられているのが見てとれます。
このように、スパンモデルやスーパーボリンジャーを併せて分析すると、相場の地合いに関して、6月5日時点と8月7日時点では幾つもの相違が見受けられます。
価格(縦軸)と時間(横軸)という2代要素から相場を見る時に、片方からは同一性が認識出来ても、もう片方からは、異質性が認められる以上、相場予測は簡単ではないことが分かります。
私が主宰している有料掲示板にて常日頃から申し上げている通り、直近の相場を分析する上で、60分足ベースのスパンモデルやスーパーボリンジャー分析が極めて重要です。
「実際のトレード」と「相場観」は異なるものです。
私は、相場観を構築する上で、主に時間分析に頼るようにしていますが、実際のトレードで重視しているのは60分足スパンモデルであり、スーパーボリンジャーです。
相場観の通り、実際にトレード出来れば理想的なのですが、現実には難しいことが多いです。
ということで、両者の融合を図りながらも、相場の現在位置を知る努力をしています。
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