まず、週末のマーケットですが、注目された米国11月の雇用統計にて非農業部門雇用者数が事前予想の前月比34万人の減少に対して53.3万人の減少となったことや、先月10月分の数値が下方修正(24万人の減少から32万人の減少へ)となったことを受けて、全ての通貨ペアにて売り(円高、欧州通貨安、資源国通貨安)が先行しました。

一時、ドル円は91.58円、ユーロドルは1.2627、ユーロ円は115.87円、ポンドドルは1.4526、ドルスイスは1.2251まで対欧州通貨でのドル高と円高が進みました。

また資源国通貨に対しても円高が進み、一時、豪ドル57.76円近辺、NZドル円47.79円近辺、カナダ円、70.60円近辺を付けました。

しかし、その後は、ニューヨーク市場後場に入って、米株価の上昇につれて為替でもポジションの巻き戻しが入り、引けにかけて全通貨ペアにて大幅に買い戻される展開(円安、欧州通貨高、資源国通貨安)となったようです。

しばらく鳴りを潜めていた「引け際の魔術師」の動きがあったとも言えましょう。

■さて、元来、私は、その日の終値がどの位置になるか、いつも重視していますが、週末の終値は日足以上に重要であると考えています。

日足の「終値」とは「その日のマーケットが最終的にそのレートで良いと納得する」というレートです。

週足の「終値」はとなると、「その週のマーケットが最終的にそのレートで良いと納得する」と言う意味であるわけです。

そして、この「終値」には日足や週足以外に、月足はもちろんのこと、60分足、5分足、1分足等々、あらゆる時間枠に応じて存在します。

60分足など短期の時間足でも終値に意味があるのは重要なポイントです。

いずれにしても「ざら場」で幾らのレートが付くか以上に終値の位置は大切だということです。

「ざら場」とは、株式市場で使われる専門用語ですが、ここでは、ある時間枠のローソク足が完成するまでのマーケットと言う意味合いで理解して頂ければ幸いです。

この終値は日足の場合であると、通常、ニューヨークの終値、すなわち、米国東部時間午後5時のレートをその日の終値と決めます。

しかし、私は、円絡みに関しては、東京時間午後5時のレートでもって判断することに意味があると考えています。

特にドル円相場ですが、東京午後5時の終値(日銀公表ベース)を基に作成したチャートと、ニューヨーク午後5時の終値を基に作成したチャートがその分析において異なった結果となるケースがあることに驚かされます。

ということで、私は、一般的に公表しているマーケットレポートは、すべてニューヨーク市場終値を基に作成していますが、一部の通貨ペアについては、非公表ですが、東京終値をベースにした分析を行っております。

尚、今後、この東京終値ベースのシグナル分析の発表も考えています。

この場合は、日足終値ですので、1日に1回の判断を行うことになり、中長期投資の指針として有効的と考えています。

デイトレード用ではありませんが、リスク許容度を上げておけば、ゆったりとしたトレードを行うことが出来、貴重な判断材料と思います。

■ところで、何故、このように東京終値を重視するように至ったかと言うと、以前に東京終値をベースに作成していたドル円相場のチャートに限って、ある法則性が顕著に現れていることを発見したからです。

それ以来、私は「東京午後5時にはマーケットの神様が現れる」と信じているのです。

私達日本人にとって、この東京5時のチャートが使えるとすれば、こんなにありがたいことはありません。

理由は、東京の夕方にゆっくりと時間を掛けてチャートを分析し、その結果を受けて投資方針の決定が出来ることです。

しかもマーケットの参加者が多く、マーケットに厚みがあることから流動性に事欠きませんし、レートはスプレッド面でみて、朝方に比べ優位となっています。

円絡みの特殊要因があるかどうかはさておき、最近の相場がこれだけ「日本円」主導となっているだけに、東京午後5時のレートをベースにしたチャート分析の意義は充分にあると思っています。

ところで、世の中の主流(ほとんどと言っても良いでしょう)は、ニューヨーク午後5時をその日の終値として判断しています

ネット上で簡単に手に入る情報は全てこのニューヨーク終値をベースとしているようです。

もちろん、ニューヨーク終値で分析することで充分に事足りていると言えるわけで、私自身もほとんどの分析をニューヨーク終値で行っています。

以上、要するに、今回のメルマガで申し上げたい点は、終値で判断することのメリットということです。

■さて、ここで具体例として、この終値ベース(ニューヨーク終値)での高値と安値に注目してドル円相場の週足時間分析を行ってみたいと思います。

実際の終値ベースのドル円相場の週足チャートを見ながら、分かり易くご説明したいと思います。

ドル円相場は、過去6年の高値でもあり、2007年の高値である124.14円をつけた2007年6
月22日の週が瞬間風速の高値(ざら場の高値)と同時に、週足終値ベースの高値も付け
た時間帯でした。

この6月22日の週から、週足終値ベースでの今年の1番底である99.00円を付けた3月14日
の週まで39週を要しました。

そして、この今年の3月14日の週から週足終値ベースで今年の最安値を付けた先週(12月
5日の週)まで、同じく39週であったことが分かります。

39週の時間が連続したことで、先週(12月1-5日)という時間は「対等時間」に直面していたことが分かるのです。

結局、この分析においては、先週が「変化時間帯」であったと言えるのです。

ところが、瞬間風速の安値(ざら場の安値)を付けた週をカウントの対象として、再度検証してみると、今年の安値は95.77円を付けた3月17日の週でした。

昨年高値を付けた2007年6月22日の週から、この95.77円を付けた今年3月17日の週までの
時間を計算してみると、40週となります。

そして、この3月17日の週から、同じく瞬間風速の安値(ざら場の安値)を付けた10月24
日の週までカウントすると、32週となります。

このように、週足終値ベースでカウントすると、39週の「対等時間」が見受けられる一方で、ざら場ベースでの高値、安値を基準にカウントすると、最初の40週に対して、その後は32週というタイムサイクルとなることが分かります。

このように、一般的な高値、安値を付けたタイミングだけで時間分析を行うのと、終値ベースで行うのとでは、タイムサイクルの分析結果が全く違ってくることがあるのです。

どちらで判断するのが正しいのかと言う点については、「どちらもOK」が答えですが、終値での判断があまり一般的となっていないものの、信頼度はより高いというのが私の考えです。

■問題は、終値で判断するとなると、途中のざら場における動きにおいて、価格変動リスクに晒される場合があるということです。

確かに、終値を見るまでは、結論、判断を下せないとなると、終値を迎えるまでの途中経過において、損切りとなるケースも出てくると想定されます。

このような場合に備えての「リスク管理」、「マネーマネジメント」が重要となりますが、各個人投資家の置かれた状況や条件に従って様々に異なってきます。

私は、マーケットそのものの動きに従ったトレードに努めているため、ロスカットレベルに気を払わずにマーケットに参入したいと思っています。

その為に、とにかくポジションのサイズを減らしています。

もっとも、世の中では、聞くところによると、そもそもロスカットオーダーを置かない個人投資家が多いということです。

要するに、マージンコールや自動ロスカットが入るまで放っておく人が意外と多いことには驚かされます。

投資家のお気持は分かるのですが、そういうスタイルであれば、やはりレバレッジを下げて、ポジションのサイズそのものも減らす必要が当然あると思います。

さもなければ、よほど相場観が良くない限り、いくら資金があっても、長い目でみて減らすだけです。

せめて、ポジションのサイズを減らせば、ロスカットのことを気にせずに、マーケットの売買シグナルに従ったトレードが行いやすくなります。

もちろん、せっかくレバレッジを効かせてトレード出来るというメリットを生かさない手はないわけであり、もちろん、少ない資金で大きなポジションを取るべきであるとお考えの方も多いことでしょう。

それは、「当り前」のことなのですが、やはりコンスタントに収益を上げられるご自分のトレードスタイルを確立されることが先決であり、それまでは少ないポジションで研鑽を積み、慣れることが大事だと思います。

■尚、ポジションテイクを行うためのトレードモデルに関して、重要なポイントがあります。

それは、オリジナルコストから大きくアゲンストになる場合は、そのポジション自体がそもそも間違っているということです。

言い換えると、評価損が大きく発生し始めた時点で、間違った判断結果であると考えるべきなのです。

究極の売買シグナルは、天底近辺に点灯すべきなのですが、相場地合い次第では、天井からある程度下げたところ、底からある程度上げるまでは、点灯しないものです。

それは相場のトレンドを確認する為の「必要コスト」とも言えましょう。

広い意味での「準備構成期間」を経ないと、シグナルの信頼度が高まらないわけです。

ですから、天井で売れなくても、ある程度下げたところ、下げトレンドが確認出来た時点や価格でエントリーし、その後は、そのポジションが大きく評価損を抱えることなく、逆向きのシグナルが点灯するまでキープするというのが、本来のマーケットの流れに乗るということなのです。

以上、要点を繰り返しますと、「終値」で判断するということは、マーケットの地合いやトレンドの確認の為に、より確かな方法であると理解頂ければ良いかと思います。

尚、詳しい相場予測等につきましては、「有料メルマガ」にてお届けしたいと思います。

以上です。

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